- 2015-07-10 (金) 15:59
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遺品整理業をしてる方のお話が載っていたので下記に記事を載せたいと思います。
転機は42歳のときに訪れた。銀行からかかってきた一本の電話に仰天。夫が事業に失敗し1億円の借金を抱え、家のローンも半年滞納されていた。
「人生の大きな落とし穴に落っこちた感じです。夫は居たたまれなかったのか、家を出ていってしまいました」
幸せな人生が一転して借金取りに追われる生活に。ローンの返済や子供の学費などで月30万円の生活費が必要だった。いや応なしに家庭の主婦から社会人へ。武器は車の免許証だけ。新聞の求人広告を見て選んだ仕事は、家屋の解体業だった。
「42歳のおばさんが月30万円稼ぐには、人の嫌がること、汚れる仕事しかなかった。面接で社長に、見積もりを出したり現場の管理をする仕事もあるからといわれて」女だてらに飛び込んだ世界だったが、逆に女性だから面白がられ「先輩に名刺の渡し方から現場の管理まで教えてもらいました」。
その後、完全歩合制で家屋解体の仕事を請け負うことになり、収入も増えた。
2000年に「菅井商会」を設立。遺品整理業も始めた。遺体が何日も放置されていた孤独死の部屋は異臭がする。葬儀会社から依頼を受けて現場へ行くと、廊下が血の海だったこともある。
「仕事ですから、そういうのを見ても動じません」
懸命に働いて、一度手放したマイホームは10年後に買い戻した。1億円の借金も全額返済し、2人の子供たちもきちんと育て上げたというから、専業主婦どころかスーパー主婦兼起業家だ。ところが、59歳の時に脳腫瘍を患い、1年間の休養を余儀なくされてしまった。
「そのとき生き方について真剣に考えたんです。家屋の解体はほどほどにして、遺品のお片付けを中心にやっていこうと。ご遺族のみなさん心細いから、ご相談を受けることもよくあります。この年だからできる仕事じゃないかと思います」
神奈川・湯河原の海が見える別荘で過ごすのが息抜き。同じ団塊の世代に「年金があっても、家に引っ込んでいたら人生つまらない。人それぞれ考えは違いますが、常に自分に素直に、楽しいこと、やりたいことをやってほしいですね」とエールを送る。
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